赤磐の古民家リノヴェーション。
既存の玄関土間の2階床板を剥ぎ取り、吹き抜けとして薪ストーブを設置、吹き抜け廻りの引込み建具を開け閉めすることで室内環境を調節できる計画とした。
吹き抜け廻りはできる限り既存の意匠を継承するかたちで改修、対照的に居間・食事室は現代的な造形として、二つの世界を行き来して生活できるようにした。

既存の床レベルである食事室と居間との間は段差を設けることで広い空間の中に適度な分節を与え、また居間と薪ストーブの距離感が近づくよう工夫した。

古民家の持つ所謂「田の字」の平面がもつ形式性を払拭しつつ、水廻り等の家事動線や収納スペースは今日の暮らしが機能的に行えるよう、大幅に改修した。
また低い差鴨居や古民家特有のこじんまりとした内法高さは引き継ぎ、モダンな造形の中にも親しみやすい雰囲気を残した。

外部は全ての建具を袖に引き込めるように木製建具で改修し、今後時間を掛けて整備される庭園や薪割りの作業が室内と一体で楽しめるようにした。

COLLABORATOR
設計・監理/竹下和宏建築設計事務所
施工・薪ストーブ/株式会社 兵恵建設
造作家具/KUUSI DESIGN 三島久幸
置き家具/TEORI