南側に広がる笹々瀬川の光景と上空に広がる広大なオープンスペースから得られる恵みを享受すべく、全住戸北側に寄せて配置、残地を集約することで南側に日当たりのよい広場を設けた。

広場は各戸の隣地境界線上に植えられた「共有樹」を除いては境界を明示する設えをあえて無くし、自らの所有を超えて宅地全体に領有感が拡がっていくような、共同性を醸成する要素としてデザインした。外観は南面の軒高をできるだけ抑え、広場から見える空の広がりを最大化しつつ、平屋に似たスケール感の建物が立ち並ぶ構成とした。

外観に統一感を与える一方、内部プランと断面計画は全住戸異なり、住空間と庭との多様な関係性が生まれることを意図した。

内部は北側に向けて高くなる腰折れ状の屋根型の下に立体的に展開し、たくさんの居場所を見付けられる構成とした。また笹々瀬川から流れる風を室内に引き込み、屋根形状に沿って北面上空へと重力換気するクロスベンチレーションの仕組みを取り入れた。

建材やディテールなど標準化を図りコストを抑えながら、それらの取り合いを丁寧に扱うことで日常的だが上質な空間のクオリティを目指した。

CREDIT
企画・施工/株式会社ミナモト建築工房
宅地計画・建築設計・監理/竹下和宏建築設計事務所
構造・規模/木造2階建 5棟
敷地総面積/794.96㎡ 5区画
延床面積/85.22~113.67㎡